黒松
盆栽、と言われて貴方はどんな樹を思い浮かべますか?
恐らく多くの方が「松」を思い浮かべたと思います。
The 盆栽
King of 盆栽
たぶん日本で盆栽として1番作られてる樹でないかと思います。
(ちなみに世界ではガジュマルが1番人気、と何かで読みました)
そんな松ですが僕はあまり好きでなかった。
綺麗な実も花もつかないし紅葉もしない。
若い木だとあまりにもパッとしない。
そんな感じで食指も動かず避けてきたわけですが、今年5月の大盆栽まつりで何処かのお店の方に「言い値で売る」と言われて買ってしまった。
たしか¥800と言った記憶。
それがこの樹。
まぁその値段が妥当かはわかりませんが、手に入れてみるとなかなか面白い。
例えば短葉法。
成長期に勢いのある芽を摘んで秋の短葉を鑑賞する、というやつです。
ちなみに一応上のヤツも7月に一番芽を摘んでみたんですが、9月に長期出張にでてしまったので二番芽を積み損ねてちと不恰好。
(なお、マニュアル本等を見ていると実施時期は人それぞれ。我が家はもっと早い方が良いのかもしれない)
あとはジンやシャリなど。
劇的な華やかさが無い分、個人の技量を問われるのが魅力のひとつだと思います。
またルックスを見てみると、針のような葉の繊細さと荒れた幹の力強さ、直線と曲線の対比。
そういった過剰に主張しないシンプルな美しさは日本人の美意識にマッチしているのかもしれません。
まぁ上の彼がそんな美を醸し出すのは10年後か20年後か。
気長に可愛がっていきたいと思います。
ところで遂に自分の住む埼玉の平野でも雪が降り始めました。
遅れまくりのニレケヤキやイワウメヅルもやっと紅葉に向けて変色してきております。
暖かい部屋で珈琲飲みながらこんな曲でも聴いて彼らを観賞したいもんですな。
野葡萄
ノブドウ(野葡萄、学名: Ampelopsis glandulosa var. heterophylla)はブドウ科ノブドウ属に属するつる性落葉低木。藪に多く見られ、都市でも空地などに見られる。
(wikipediaより)
盆栽だけでなくガーデニングでも人気のある野葡萄。色とりどりの実は園芸家でなくても見覚えがあるかと思います。
蔓性植物好きとしてはそそられまくりの植物。
しかも葉が可愛い、実がカラフル、生命力強くて育てやすい、(蔓性にしては)幹が太りやすい…など魅力満載。
育てる上で注意する点なんて夏場に水切れしやすいって事くらいじゃないでしょうか。
しかも葉が枯れるだけで本体は枯れない頑丈さ。
ちなみに我が家には2株ありますがどちらも近所の公園に生えていた株を採取してきたものです。
(一応垣根などでなく通路脇など除草されてしまうような場所で採取してます)
これは4月初旬の芽出し直後の写真。
上に上に太めの蔓を伸ばしてます。
次に7月後半。
切れ込みの深い葉が繁茂してます。
この生命力漲る感じが蔓性植物の魅力ですね。
野生のものだと既に花が咲き始めている時期なので少し焦ってました。
結果から言うと今年は2株とも花が咲きませんでした。
最後に現在の姿。
紅葉し始めてます。
花が咲かなかったため実が無いですが、それでも充分素敵な姿。
個人的には切れ込みが浅い葉の方が可愛くて好きなので、この葉で紅葉が見れて嬉しい。
しかしながら花が咲かなかった原因が正直わからない。
水と同じく肥料も大食いなのか。
遮光がきつ過ぎたのか。(日差しには弱くはない印象)
剪定のしすぎなのか。
はたまた害虫の影響か。
来年の課題ですね。
これは去年の姿。
花が咲いたものの肥料を与えず栄養不足だったのか殆ど結実せず。
申し訳程度にひとつ付いてます。
難しいネェ。
難しいといえばもうすぐ衆議院選挙。
これも難しいネェ。
盆栽周りの小道具、という話
道具にこだわる。
というのが趣味の醍醐味のひとつであったりします。
盆栽でいうと例えば鋏各種、ピンセット、コテ、ペンチ、如雨露…等々。
そして「無くても良いけどあった方が楽しいモノ」というものあります。
今回はそこらへんを紹介。
盆栽を室内に飾るとき。
地板なんかも良いですが我が家は棚の上に飾る事が多いのでこういったものを使ってます。
コースターや木の切れ端、小物入れの蓋など。
鉢がシックな色合いのものが多いので色が鮮やかなものを選ぶことが多いかも。
次に添配。
これは近所の瀬戸物屋で買ったもの。
作り悪いし、釣り人なのか船頭なのかわからないけど手が折れてるし(なのにまけてくれなかった!)
しかしなかなか使い勝手良くて気に入ってます。
(後ろに写ってるWINGSのVENUS AND MARSは音もジャケも大好きな名盤!)
ところで添配。
大きさの割にお高かったりするのでなかなか手が出なかったりするもの。
なので
ガチャガチャのカエルのフィギュアとか
フチ子とか
こんなのでもアリですかね?
最後に水石。
これは佐渡の赤玉石。
景色には見立てづらい形だけど、派手過ぎず大人し過ぎない赤色は盆栽と並べて使い勝手良かったりします。
そしてじーちゃんの形見だったりします。ありがとう、大切にします。
次に佐渡の海岸で拾ってきた水溜り石。
小磯の波打ち際で蟹が遊ぶ光景を表現。
蟹の添配は鉄製。
水盤は真鍮製。
最後に。
こういった小道具の事は梶原富蔵氏の著書『小品盆栽「遊び」の道具』で勉強しました。
盆栽の本は数あれど道具にスポットを当てた本はこれくらいなんではないでしょうか。
(たまには雑誌なんかで特集して欲しい…)
培養の技術も大切ですが、鑑賞するという事が盆栽の最終目標とするならば、この本はその世界をググッと広げてくれるはずです。
ま、普段見ることもないとんでもなくカッコイイ鉢やら石やらが載っているので読んでてとにかく興奮します。
僕は保存用にもう一冊欲しいくらいだ。
緑の少ないこの季節。
コイツらは元気です。